中古車を輸出すると、海外の買い手や現地の整備工場から「この車の部品を調べたいので番号を教えてほしい」と頼まれることがあります。そのとき役に立つのが、輸出のときに交付される輸出抹消仮登録証明書と輸出予定届出証明書です。どちらも標題に英語の「Export Certificate」が併記され、型式指定番号や類別区分番号の欄も日英併記で設けられています。この記事では、証明書の根拠と記載欄、英語表記の対応、海外の買い手に番号を伝えるときの注意をまとめます。

輸出抹消仮登録証明書と輸出予定届出証明書の違い

登録自動車を輸出するとき、所有者は輸出抹消仮登録を申請し、輸出抹消仮登録証明書の交付を受けなければなりません(道路運送車両法第15条の2)。すでに一時抹消登録をしている車を輸出する場合は、届出をして輸出予定届出証明書の交付を受けます(同法第16条)。軽自動車と二輪の小型自動車も、輸出予定届出証明書の交付を受けることになっています(同法第69条の2第3項)。

どちらの証明書にも「輸出が予定されている旨」が記載され、有効期間は輸出の予定日までです。国土交通大臣は、税関長が関税法第70条第2項の確認をしたかどうかを照会して、輸出の事実を確かめます。

証明書交付を受ける場面様式英語の標題
輸出抹消仮登録証明書登録自動車を輸出するときに交付されます第十二号様式Export Certificate
輸出予定届出証明書一時抹消登録済みの車を輸出するときに交付されます第十三号様式Export Certificate
輸出予定届出証明書(軽自動車)軽自動車を輸出するときに交付されます軽第七号様式Export Certificate

様式は「自動車の登録及び検査に関する申請書等の様式等を定める省令」第4条で定められています。3つの様式は、いずれも標題が日本語と英語の併記で、英語の標題はすべて「Export Certificate」です。種類の違う証明書が同じ英語名になっているので、海外の相手には日本語の名称もあわせて伝えると混同を防げます。

Export Certificateとは

Export Certificateは、日本で中古車を輸出するときに交付される輸出抹消仮登録証明書(第十二号様式)と輸出予定届出証明書(第十三号様式、軽自動車は軽第七号様式)に印字された正式な英語の標題です。通称ではありません。証明書には型式指定番号(Specification No.)、類別区分番号(Classification No.)、車台番号(Maker’s serial number)、型式(Model)、初度登録年月(First Reg. Date)などが日英併記で載っています。有効期間は輸出の予定日までです。

Export Certificateの見方:記載欄と英語表記

国のe-Gov法令検索に添付されている様式の原本で確認した記載欄は、次のとおりです。登録車用の第十二号様式と第十三号様式を基準にし、軽自動車用の軽第七号様式で表記が違う欄は補足に書きました。

日本語の欄名英語表記補足
型式指定番号Specification No.部品や諸元を調べる手がかりになります
類別区分番号Classification No.同じ型式の中の仕様を区別します
車台番号Maker’s serial number車台の型式の表示を含みます
型式Model頭に排出ガス規制の識別記号が付くことがあります
初度登録年月First Reg. Date軽自動車は初度検査年月(First Grant Date)です

ほかの欄も英語が併記されています。自動車登録番号はRegistration No.、登録年月日はRegistration Date、車名はTrademark of the maker of the vehicle、原動機の型式はEngine Modelです。長さ、幅、高さはLength, Width, Height(単位はcm)、車両重量はWeight、車両総重量はG/Weight、総排気量又は定格出力はEngine Capacity、燃料の種類はClassification of Fuelと書かれています。輸出予定日(証明書有効期間満了日)の欄はExport scheduled dayです。軽自動車用の軽第七号様式では、自動車登録番号が車両番号(Motor vehicle number)、登録年月日が交付年月日(Grant Date)に変わります。

このほか、所有者と使用者の氏名や住所、使用の本拠の位置、自動車の種別、用途、自家用・事業用の別、車体の形状、乗車定員、最大積載量、軸重、備考の欄があります。発行者は運輸監理部長または運輸支局長で、英語も併記されています。

Cariseの英語ページでは、型式指定番号と類別区分番号を「model designation」「category classification number」と書いています。様式に印字された公式の英語は「Specification No.」「Classification No.」なので、海外の相手には証明書の表記で伝えると照らし合わせやすくなります。

輸出抹消仮登録証明書の型式指定番号で何が調べられるか

型式指定番号は、国土交通大臣が型式を指定したときに告示する「指定の番号」です(自動車型式指定規則第5条)。類別区分番号は、同じ型式の中の仕様の違いを区別する原則4桁の番号で、同一型式の中で重複して使われません。2つを組み合わせると、型式の中の1つの仕様まで特定できます。

日本の国内向けの車は、車台番号が17桁のVINになっていないことがよくあります。日本自動車工業会のガイドラインでも、国内向けの車には国土交通省が定める「型式-番号」表記の車台番号(最大17桁)が使われ、輸出向けの新車に使われるVINとは別の体系だと説明されています。国内向けの車の大半は、この型式+番号の形です。国土交通省の見本でも、車台番号は「R35-DSG-00001」のように型式の一部とハイフン、番号の組み合わせです。海外でVINを前提にした部品検索をしようとすると、日本の中古車は引けない場合があります。

そこで、VINのない車の部品や諸元を特定する手がかりになるのが、型式指定番号と類別区分番号です。海外の買い手や整備工場は、この2つの番号を使えば、日本の部品データや諸元データで車両の仕様を絞り込めます。番号で部品を調べる考え方は純正部品価格の調べ方、諸元の調べ方は自動車の諸元データの調べ方で解説しています。

番号証明書の英語表記わかること
型式指定番号Specification No.型式指定のときに告示された指定の番号がわかります
類別区分番号Classification No.型式の中のどの仕様かがわかります
車台番号Maker’s serial number1台ごとの番号です。国内向けは型式+番号の形が多くなっています
型式Model車両の型式がわかります

型式指定車でない車は番号が空欄になる

型式指定番号と類別区分番号があるのは、型式指定を受けた車だけです。国土交通省の電子車検証の2次元コードの項目定義では、2つの番号は型式車の場合に結合して設定し、型式指定車以外の「一般車」には設定しないとされています。並行輸入車や少量生産の車などがこれに当たります。

様式には欄が設けられていますが、一般車の証明書ではこの欄が空欄になると考えられます。番号が無い車を海外に売るときは、買い手に「型式指定車ではないため番号が無い」と事前に伝え、車名、型式、原動機の型式、車台番号など、ほかの情報で部品を探してもらうよう案内してください。

車検証と輸出証明書で番号の確かめ方が違う

輸出前の車の番号を確かめたいときに、電子車検証の券面を見ても型式指定番号と類別区分番号は載っていません。国土交通省の電子車検証特設サイトによると、券面には基礎的な情報だけが記載され、その他の情報はICタグに格納されています。番号は、窓口で渡される自動車検査証記録事項(2027年12月末まで交付)、券面の2次元コード、ICタグで確認します。

書類型式指定番号、類別区分番号
電子車検証の券面載っていません
自動車検査証記録事項欄があります
券面の2次元コード2つを結合した1項目で入っています(一般車は設定されません)
Export CertificateSpecification No.とClassification No.の欄があります

輸出後は、海外の買い手の手元に残るのは主にExport Certificateです。買い手が自分で番号を確かめられるよう、証明書のどの欄に番号があるかを英語の欄名で伝えておくと、問い合わせが減ります。

海外の買い手に番号を伝えるときの手順

  1. Export Certificateの「Specification No.」と「Classification No.」の欄に番号があるか確認する
  2. 番号があれば、2つをセットで伝える。片方だけでは仕様を絞り込めない
  3. 「Maker’s serial number」(車台番号)と「Model」(型式)もあわせて伝える
  4. 番号が空欄の一般車は、その理由を説明し、車名や原動機の型式で探してもらう
  5. 英語での解説が必要な相手には、英語ガイドのページを紹介する

海外のお客様向けには、英語で同じ内容をまとめた英語ガイド(海外のお客様向けのExport Certificateの番号の解説)を用意しています。番号の意味を英語で説明する手間を省けます。

参考までに、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)は、財務省の貿易統計(2025年確報)を基に、2025年の中古乗用車の輸出が約149万台だったと伝えています。輸出先の上位はUAE、ロシア、タンザニア、チリ、ケニアの順でした。

Cariseで輸出車の部品や諸元を調べる方法

Carise(カリス)は、日本カーネット株式会社が運営する自動車業界向けのデータ検索WEBシステムです。純正部品価格検索と諸元検索は、型式指定番号と類別区分番号から検索できます。Export Certificateに載っている番号をそのまま使えます。

検索検索のキー料金
純正部品価格検索型式指定番号、類別区分番号(車検にかかわる部品が対象)4,000円/月(税別)
諸元検索型式指定番号、類別区分番号。メーカー名、車両通称名トップページでは「coming soon」と表示
作業点数検索車両情報、作業区分10,000円/年(税別)

Cariseには英語ページのほか、ロシア語、ウルドゥー語、シンハラ語、アラビア語、スペイン語、スワヒリ語、モンゴル語のページがあります。ただし検索の画面は日本語のみで、英語ページでもブラウザの翻訳機能を使うよう案内しています。電話サポートも日本語のみです。

ご契約いただけるのは、整備業、鈑金業、車販店、ガソリンスタンドなど自動車関連事業を営んでいる企業様のみです。最大2か月間のお試しがあります。

Cariseで得たデータは、自社での部品の確認や見積りに使うためのものです。利用規約で、サービスで得た情報を商業的に利用する行為が禁止されているため、検索結果を販売資料に載せたり、買い手へ一覧として渡したりする使い方はできません。買い手には番号そのものを伝え、部品や諸元は買い手側で調べてもらう形にしてください。お申込みの手順とお支払いはお申込みの流れでご確認いただけます。作業の手間の目安を知りたい場合は作業点数とはも参考にしてください。

よくある質問

Export Certificateとは何ですか。
輸出抹消仮登録証明書と輸出予定届出証明書の様式に印字された、正式な英語の標題です。2種類の証明書が同じ英語名になっています。
輸出抹消仮登録証明書のどこに型式指定番号がありますか。
「型式指定番号 / Specification No.」の欄です。その近くに「類別区分番号 / Classification No.」の欄もあります。
輸出予定届出証明書と輸出抹消仮登録証明書は何が違いますか。
登録自動車を輸出するときは輸出抹消仮登録証明書、一時抹消登録済みの車を輸出するときは輸出予定届出証明書が交付されます。軽自動車は軽第七号様式の輸出予定届出証明書です。
型式指定番号が空欄なのはなぜですか。
型式指定車でない一般車には、型式指定番号と類別区分番号が設定されないためです。並行輸入車や少量生産の車などが当たります。
海外の買い手がCariseを使えますか。
画面は日本語のみで、ご契約は自動車関連事業を営んでいる企業様のみです。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月6日時点で公表資料を確認したものです。

Carise で作業点数・純正部品価格・諸元を調べる

Carise は、整備業・鈑金業・車販店・ガソリンスタンドなど自動車関連事業者向けのデータ検索システムです。作業点数検索、純正部品価格検索、諸元検索を、型式指定番号・類別区分番号やメーカー・車名から使えます。

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