「トヨタの作業点数表を見たい」「この車種のブレーキ交換は何点か」といった調べものは、整備工場の見積りで毎日のように出てきます。作業点数は車種や型式ごとに違うため、メーカー名だけでは探しきれません。この記事では、日整連の自動車整備標準作業点数表を使ってメーカーと車種ごとに点数を調べる一般的な手順と、日本カーネットのデータ検索システムCarise(カリス)で車両情報と作業区分から検索する流れを紹介します。メーカーやディーラーが社内で使っている資料の中身や、個別の点数値はこの記事では扱いません。

トヨタの作業点数表を探すときの前提

整備工場で「作業点数」と呼ぶ数字の多くは、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会(日整連)が発行する「自動車整備標準作業点数表」に載っている標準作業点数です。点数表はメーカー別、装置ごとに整理されているので、トヨタ車の点数を調べるときも、まず点数表の中のトヨタの項目から車種を探すことになります。

点数表の基本的な考え方は作業点数とは(自動車整備標準作業点数表の見方)で詳しく説明しています。ここでは、メーカーと車種から目的の点数にたどり着くまでの手順に絞ります。

メーカー・車種ごとの作業点数の調べ方

作業点数は、メーカー、車種、型式の順に車両を絞り込み、そのあと装置の区分と作業名で探します。日整連の標準作業点数表は年版ごとに、前年1年間に新規発売またはフルモデルチェンジされた乗用車、貨物車、バス、二輪車を収録しています。そのため、車の発売年やフルモデルチェンジの年から、どの年版に載っているかを当たる必要があります。車両の特定には車検証に記載された型式を使い、同じ車名でも型式が違えば別の車両として扱います。

作業点数表の年版とメーカー別の収録範囲

日整連の2025年版の案内では、2024年1月から12月までの1年間に新規発売、フルモデルチェンジされた乗用車、貨物車、バス、二輪車について、定期点検と一般整備の標準作業点数をメーカー別、装置ごとに掲載していると説明されています。年版ごとに収録されるのは前年に出た車なので、点数表は年版を重ねるごとに対象の車種が増えていく形になります。

提供の形にも変化があります。書籍としての販売は2022年版が最後で、2023年版以降はFAINESなどで閲覧する形になりました。CD-R版の刊行物も案内されています。手元に書籍の点数表しかない工場では、2023年以降に出た車種が書籍に載っていないことに気をつけてください。

調べたい車当たる先の目安注意すること
2022年までに発売、フルモデルチェンジされた車該当する年版の書籍、またはFAINESなど発売年の翌年の年版に載っている
2023年以降に発売、フルモデルチェンジされた車FAINESなどの閲覧サービス、CD-R版書籍版は2022年版で終了している
同じ車名で型式が複数ある車型式ごとに確認車名が同じでも型式で区別する

どの年版にどの車種が載っているかは、日整連の案内で示されている収録範囲(前年1年間の新規発売とフルモデルチェンジ)から逆算した考え方です。個別の車種の掲載状況は、点数表そのもので確認してください。

車検証の型式で車両を特定する手順

同じ車名でも型式が複数に分かれていることがあり、型式が違えば作業点数も変わる場合があります。点数を調べる前に、車検証で型式を確認しておくのが確実です。電子車検証の券面にも、車名、型式、原動機の型式、初度登録年月が記載されています。

型式の頭に「CBA-」のような英字の記号が付いている場合、これは排出ガス規制の識別記号です。国土交通省の通達「自動車型式認証実施要領」で定められているもので、点数表で車種を探すときは、記号の後ろに続く部分が車両を見分ける手がかりになります。

車検証が手元になく、車台番号しかわからない場面もあります。道路運送車両法では、車台番号は「車台の型式についての表示を含む」ものとされています。国土交通省の電子車検証の見本でも、型式「CBA-R35」の車の車台番号は「R35-DSG-00001」となっていて、ハイフンの前に型式の一部が入っています。車台番号の頭の部分を見れば、型式の見当をつけられます。ただし見本の車台番号には型式の頭にある「CBA-」の部分が入っていないので、最終的には車検証の型式で確かめてください。

  1. 車検証で車名、型式、原動機の型式、初度登録年月を確認する
  2. 点数表のメーカー別の項目から、車名と型式が一致する車種を探す
  3. 原動機の型式が複数ある車種は、エンジンの違いで項目が分かれていないか確認する
  4. 装置の区分(エンジン、ブレーキ、足回りなど)から作業名を探す
  5. 作業の範囲(片側か両側か、交換か点検か)が実際の作業と合っているかを見る

部品の価格まであわせて調べる場合は、車検証の記録事項にある型式指定番号と類別区分番号を使うと、同じ型式の中の仕様の違いまで区別できます。この2つの番号の確認方法は諸元データの調べ方で説明しています。

車種ごとの作業点数を見るときの注意点

作業点数は、実務経験3年程度の三級整備士が1人で、認証基準の機械工具とインパクトレンチなどの一般的な機器を使って作業する前提で算定されています。トヨタ車でも他のメーカーの車でも、この前提は同じです。点数表の見方では、点数は作業の開始から完了までを示し、途中の付帯作業も含むとされています。

一般整備の点数は、標準作業時間に換算係数を掛けて出しています。定期点検だけは作業時間と点数を同じにしているので、車種をまたいで点数を比べるときも、定期点検と一般整備で読み方を変える必要があります。2つ以上の作業を同時に行う場合は、関連する作業の重複部分を差し引きます。

確認する項目点数表の見方に書かれている内容
作業者の前提実務経験3年程度の三級整備士が1人。2人以上の作業は延べ作業時間
時間の刻み6分を0.1時間とし、0.1時間未満は四捨五入
定期点検作業時間と作業点数を同じにしている
一般整備標準作業時間×換算係数=標準作業点数
同時作業関連する作業の重複部分は差し引く

メーカー別の作業点数を見積りに使う場面

車種ごとの作業点数を手早く引けるようになると、電話での問い合わせにもその場で目安を伝えやすくなります。たとえば「トヨタの○○でブレーキパッドを替えたい」という相談が来たとき、車検証の写真を送ってもらえれば、型式から点数を引いて工数の見込みを返せます。

鈑金工場で事故車の修理見積りを作る場合は、自研センターの「指数」という別の体系が使われます。整備の作業点数と事故修理の指数は作っている団体も対象も違うため、社内では数字の出どころを書き分けておくと混乱しません。

部品代をあわせて見積りに入れる場合は、純正部品価格の調べ方の手順で型式指定番号と類別区分番号から部品を特定しておくと、作業と部品を同じ車両情報で組み立てられます。

Cariseで作業点数を調べる方法

Carise(カリス)は、日本カーネット株式会社が運営する自動車業界向けのデータ検索WEBシステムです。作業点数検索では、作業を開始してから完了するまでの点数を示す「標準作業点数表」を、車両情報や作業区分から検索できます。トヨタ、日産、ホンダ、スズキ、ダイハツ、マツダ、スバル、三菱など、国産乗用車を幅広く網羅しています。

車両情報と作業区分から検索する流れ

  1. メーカーを選ぶ(トヨタなど)
  2. 車種と型式、原動機の型式から対象の車両を選ぶ
  3. 作業区分を選んで、目的の作業を探す
  4. 表示された標準作業点数を、見積りの工数の目安として確認する

操作は選ぶだけで進められます。上級者向けの機能として、必要なデータをリアルタイムで取得してエクセルなどで使う方法も用意されています。作業点数検索の仕様書では、トヨタの作業点数を取得する例を使って、メーカーを指定してモデルの一覧(型式、通称名、原動機の型式)を取り、そのモデルのコードで作業名と点数を取得する手順が説明されています。

料金と利用条件

項目内容
作業点数検索の料金10,000円/年(税別)
検索の方法車両情報や作業区分から検索
契約できる事業者整備業、鈑金業、車販店、ガソリンスタンドなど自動車関連事業を営んでいる企業様のみ
お試し最大2か月間
利用制限1アカウントでの同時ログイン不可。複数のグローバルIPからのアクセス不可

Cariseで得たデータは、自社の見積りや整備内容の確認に使うためのものです。利用規約で、サービスで得た情報を商業的に利用する行為が禁止されているため、データを第三者へ販売したり、公開や配布をしたりする使い方はできません。

お申込みの手順やお支払いについてはお申込みの流れに載せています。対応している車種や作業について事前に確認したい場合は、お問い合わせからご連絡ください。

よくある質問

トヨタの作業点数表はどこで見られますか。
日整連の自動車整備標準作業点数表のメーカー別の項目で調べられます。書籍版は2022年版で終わり、2023年版以降はFAINESなどで閲覧する形です。Cariseの作業点数検索でも、車両情報と作業区分から標準作業点数表を検索できます。
同じ車名なのに点数が違うのはなぜですか。
型式やエンジンが違うと、作業の内容や手間が変わるためです。車検証の型式と原動機の型式を確認してから点数を引いてください。
古い車の作業点数はどの年版を見ればよいですか。
標準作業点数表は、前年1年間に新規発売やフルモデルチェンジされた車を収録しています。車の発売年やフルモデルチェンジの年から、該当する年版を当たってください。
この記事に具体的な点数が載っていないのはなぜですか。
点数は車種、型式、作業の範囲で変わり、年版によっても収録が違うためです。個別の点数は点数表やCariseで、車両を特定したうえで確認してください。
Cariseはどんな事業者が使えますか。
整備業、鈑金業、車販店、ガソリンスタンドなど自動車関連事業を営んでいる企業様のみご契約いただけます。最大2か月間のお試しもあります。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月6日時点で公表資料を確認したものです。

Carise で作業点数・純正部品価格・諸元を調べる

Carise は、整備業・鈑金業・車販店・ガソリンスタンドなど自動車関連事業者向けのデータ検索システムです。作業点数検索、純正部品価格検索、諸元検索を、型式指定番号・類別区分番号やメーカー・車名から使えます。

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